ワークライフバランス?2008年05月15日 05時46分39秒

駅で買って電車の中で読んだ今週号のAERAに、いまどきの新人社員をどう育てるかという特集がありました。
最近、雑誌や新聞でこういう記事があったら、だいたいデキる優秀上司の仕事を盗め!というより、上司はできるだけやさしくなって、いかにやる気を出させるかという話になります。
コーチングとか言う言葉もスポーツの世界でなく仕事の世界でも普通に使われるようになってきました。

その記事の中に ワークライフバランス という言葉が何度か出てきました。
初めて聞く言葉です。
この手の記事はそれなりに読んでいたはずなのに、いま使われ始めたのか、僕がこれまで目に留まらなかっただけなのか、どっちかよくわからないけど、とにかく初めて聞く言葉でした。

ま、言葉だけでだいたい意味はわかりますね。
仕事とプライベート両方を充実させてゆとりある人生を送ろうというメッセージが込められた言葉なんだと思います。
バランス保ててこそいい生活なんだということを、いつの間にかこんな言葉で表現するようになっていたんですねぇ。

働き過ぎに対する警鐘でしょう。
かつての典型的なサラリーマンのように、家庭を顧みないで仕事にのめり込み、50代くらいになって気がついてみたら自分の家に居場所がない、家族の気持ちもバラバラというのにならないように、きちんとプライベートも仕事と同じくらい大事にせよという意味だと思います。

働き過ぎの人を立ち止まらせるための言葉としてはいいでしょうね。
「仕事と家庭」という言い尽くされた日本語より「ワークライフバランス」と美しいカタカナで言われた方が何となく受け入れやすい。

だけどあくまでバランスだと思うんですよ。
学生の頃から「ワークライフバランスが大切」と実体験でなく言葉だけで理解した人が、ほんとに仕事とプライベートの両方をバランス良くしようとするか。
どうしてもワークよりライフのほうを維持させようと躍起になるんじゃないでしょうかね。

プライベートにけちをつけられないために仕事も頑張るというのではなく、仕事はある一定量こなして権利を勝ち得たと自分だけで納得して、あとは自分の権利を主張する。

特にいまはサービス過剰の世の中。
子供の頃からどこに行ってもお客様である自分が神様のように扱われるのに慣れきっている。
店でも学校でも、相手は自分を丁寧に扱ってくれるので、それを受け入れるかどうかの選択しか考えなくていい。
そして、気にくわないことがあると、自分の非を探すより、相手に対する揚げ足取りが先に来る。
自分でやることをやってから主張するという考え方の手順を身につける機会が少ないのかもしれない。

あ、プライベートを犠牲にしてでも仕事!って言ってるのではないです。
あくまでバランスで、仕事もしているのであればプライベートに安易に傾かないってことです。
権利を主張する前にやることやる。
それがバランスを保つときの順番だと思います。

もっとスパルタでもいいと思うんだけどなぁ、僕は。
「君のやる気を僕は育ててあげるよ」というのではなく、「やる気あるヤツだけついてこい!」で。
優しさばかりでは仕事がこなせる人間は育つかもしれないけど、強さは身に付かないような気がするよ。