伊藤螺子、小嶋陽太郎、神田茜、深沢潮、藤岡陽子、櫛木理宇、飛鳥井千砂、八木沢里志、行成薫、松田幸緒、中森明夫、大村友貴美2017年11月12日 14時38分50秒

UFOを待っている 伊藤螺子(いとうねじ)
印刷工場で働く女性、帰りに夜の河川敷でひとりUFOが来るのを待っているという自称映画監督という男に会う。
伝えたいことは何なのかいまいちわからないけど○


吠えるな 小嶋陽太郎
高校生女子、修学旅行から帰ってきたらうちに犬がいた。
気に食わないなと思ったら自分の足元にきて小便された。
修学旅行で恋が実らず気分が悪いところに。
不機嫌さからの思わぬ展開に○。


僕の守る星 神田茜
中学3年生男子、ディスカッション苦手、もうひとり休み時間もずっと関に座っている女子がいて勝手に心の仲間にしている。
その女子、母親が事件を起こしたとか精神科に通っているとか噂が流されている。
最後の最後がとてもいい◎。


山の女神 神田茜
40代なかばの新聞記者、カイロの海外赴任先から戻って与えられたのは文化面の登山担当。
意味がわからないままある俳優とその女優妻のゲスト登山に同行することに。
仕事は時に理不尽、でも得られるものあり○。


みどり色のブーケ 神田茜
母が亡くなり気が進まないまま17年ぶりに故郷の田舎町に戻る。
すぐに中学の同級生でバスケット部のエース、いまは実家の牧場を継いでいる友達に会う。
故郷を去る人残る人それぞれ。
でもみんなしっかり生きている○。


おっぱいブルー 神田茜
中学2年の時からの自分の体の変化にとまどう。
その頃から周りの男の視線が気になりどんどん内向的になるも、気にしないでいいよと言ってくれる遠い親戚の男の人に好意を寄せる。
登場するあっけらかんとした友達の女の子がいい○。


冷蔵庫の中のさくらんぼ 深沢潮
母と二人暮らしの女性、母が初めて無断外泊して戸惑う。
姉が小さな娘を連れてやってくるも、いまいち心配していない。
一方、母はその頃自分だけの心の記念日のためにひとりで温泉にいた。
こんな家庭もあるのかもね○。


もう一度、パスを 藤岡陽子
30代男性弁護士、国選弁護人として20代後半の殺人事件の被疑者の担当をする。
15歳で火事を起こし、少年院から出たあと再起して運送会社、塗装会社で頑張って働いていたときに殺人事件を起こしたという。
理不尽さ、応援したくなる○。


川はそこに流れていて 藤岡陽子
同じ弁護士さんのシリーズ。
紀伊半島の村に住んでいた祖母が残した遺言状に遺産の相続相手が限定されて書いてあったことから、親族がもめごとを始める。
こんなこともあるのだろう○。


雪よりも淡いはじまり 藤岡陽子
夫の不倫相手の女に支払った手切れ金の慰謝料を2年後に取り戻す裁判で勝った。
依頼人は自分が大学の頃につき合ったことのある女性。
勝ったはいいけど依頼人の印象が悪く成り行きを知ってる事務員の女性は不機嫌。
不倫はいろいろ面倒○。


女菩薩像 櫛木理宇
妻と結婚して12年、子供ができないことに父が嫌味を含めて電話してくるのを妻が受ける。
そんな父は母に傍若無人にあたり、それを見て自分は結婚したらそうなるまいと思っていたが、同じように妻にふるまう。
職場でも若い女性部下にいじめるように指示を出す。
自分の周りには幸いこんな人見ないが○。


ウエディングプランナー 飛鳥井千砂
駆け込んで乗ったのぞみの隣の席に居合わせた女性、ウェディングプランナーでこれからかつて世話した女性の結婚式に出るという。
ただ仕事で世話をしたというのではなく、二股をかけられているのを本人が知らないことに気づいて、それとなく教えて結婚を破綻に至らせたという相手。
おせっかいの可否は?
可だけど実際はなかなかできないということか○。


リムナンテス 八木沢里志
20代独身男、仕事はWEBプログラマー、花に詳しく、あるとき駐車場の片隅で育てるには手間がかかるリムナンテスの花が咲いているのに気づく。
が、その花に元気がなくなってきて、誰か育てている人に事情ができたのだろうと推測する。
出会いに○。


4M25 行成薫
派遣で働く30手前の女性、職場の女性たちとのランチに馴染めずひとり弁当を持ちで屋上へ。
そこには先客、若い男性スーツ君、どうやら同じビルで働いているが、超ブラックな職場でいつも罵倒され気持ちが行き詰まり飛び降りたい様子。
タイトルは4m25cmという意味、読んでみてわかる。
元気な女の子面白い○○。


小説教室の男 松田幸緒
40代主婦、中学生の娘と大げんかして「死ねば」と言われ、居眠りしていた高校生の息子の髪をなでたら部屋に逃げられ、夫はアジア出張のお土産に偽ブランド時計を買ってきた。
そんなのがきかっけか自分でもわからずカルチャーセンターの小説教室を申し込む。
そこでみんなからは平凡な文章だとさんざん言われてばかりの男性が気になり始める。
人のやることに感想を言うことはとても大事○。


文芸編集者 中森明夫
50代小説家、昔からの知り合いの編集者が亡くなったとの連絡がくる。
彼とは最近飲んだ。
そのときに「十代の頃の自分のバイブルだった」と自分が若い頃に書いた青春小説を差し出した。
愛される人とは。○


スウィング 大村友貴美
20代東京の広告代理店の営業職で働く女性、実家は岩手県の太平洋岸の街で洋菓子店を営む。
震災で和菓子職人だった祖父を失う。
震災で肉親を失った方々の心さまざま○。

中村理聖、奥田英朗、重松清、荻原浩、乾緑郎、堂場瞬一、倉狩聡2017年11月05日 07時23分52秒

『小説すばる』より
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月と弁当箱 中村理聖
妻が陰気になった。
自分は転職した不動産会社を合わないと辞めた。
それをまだ聞いてない妻は弁当をつくって自分に渡す。
でも陰気さにあたるように罵倒するような言葉を妻にぶつける。
自分が弱くなったときに身近な相手に当たる心の動きが切ない。
なぜか残したくなる物語。◎

うつわの記憶 中村理聖
母の通夜で母のかつての愛人と再会する。
だらしなかった母、自分の思い出したくない記憶がよみがえる。
この人いい人の印象だったのだが。
こういう男もいるのだろう。○

砂漠の青がとける夜 中村理聖
父親が死んだあと、両親が開いていた京都のカフェを姉が引き継ぎ、妹の自分も手伝うようになった。
東京で編集者として働いていたころに知り合った20歳上の男性から「愛してる」とメールが頻繁に届く。
いまいち何を伝えたいのかわからず。△

妻と選挙 奥田英朗
自分は文学賞受賞作家、ただし最近は書くものあまりぱっとせず。
その妻が周りからの推薦で市議会議員選挙に出ると言い出す。
距離をおきながら見守るも、頑張る妻の姿で自分の気が動く。
この夫のペースがよくて○。

アンナの十二月 奥田英朗
高校生の女の子アンナ、幼いときに母が再婚し実の父親を知らない。
母親に聞き、その実の父親に会いに行くことにする。
友達は捨てたもんじゃない。○

虫歯とピアニスト 奥田英朗
30すぎの女性、自分が勤める歯科医にファンのピアニストがやってきた。
ファンだと明かさずやりとりを楽しむ。
それだけのお話と言っていいのか。でも○

旧友再会 重松清
新幹線の駅はあるが地方都市、ここで父親からのタクシー会社を営む男性。
駅で乗せたのは小学校の同級生、でもあまり良い思い出はない。
そこそこの年齢になると抱えているものは人それぞれ。○

残照 重松清
自動車メーカーに勤めていた父が亡くなった。
地元新聞に広告を出すかどうかで叔父ともめる。
その新聞社の名前を聞くと父に関するあることを思い出す。
世の中、誰もやりたくないが誰かがやらなければならない仕事あり。○

赤いろうそくとオオカミ少年 重松清
嘘つき癖、ものを盗む癖もある少年、幼稚園のときに両親を事故でなくしておばあちゃんに育てられている。あるとき女の子のお金がなくなったことの疑いをかけられる。
子供もいろいろ事情あり。○

時のない時計 荻原浩
父が亡くなり自分が形見にもらったのが父の古い腕時計。
しかも止まっている。
捨てるわけにもいかず、街の時計屋さんに修理に持っていくと、壁時計に囲まれた店にいかにも職人風の愛想のないじいさんが仕事をしている。
かかっている時計にじいさんの思い出が重なっている。
時計の修理の人のドキュメントを見たとき、よくこんな仕事ができるもんだと思った覚えがある。
情景がなんとなくよくて○。

ノートリアス・オールドマン 乾緑郎
団地の自治会副会長さんのシリーズ。
高齢者のためのイベントを企画して説明して回ると、あるサングラスに金髪、電動車いすの男性老人にすごまれる。
この老人あてだと思われる美術展の招待状が海外から届く。
外人もからんで意外な展開も、いまいちついていけない感じ。△

裏倉庫のヨセフ 乾緑郎
これは副会長さんはあまり表にでない。
「サンタフェの奇跡」という螺旋階段のことを書きたかったのかな。
知らないことを知れて○。

政の秋 堂場瞬一
政治の業界紙の記者、大手IT企業が政治家に金をばらまいているという情報をつかむ。
自身はかつて誤情報で記事を書き失敗して挽回が必要。
政界のごたごた、あまり興味湧く内容でなし。△

にのうで枕 倉狩聡
自分の彼氏、大食いで体重がもうすぐ3桁。
お気に入りは腕枕、心地良い。
が、職場に入った年上の後輩の女性にやきもち。○

「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」2017年10月30日 14時52分55秒

山中先生が生い立ちを語った本。
臨床の医師から研究への道に路線変更して、試行錯誤の中でいまにたどり着いたことがよくわかる。
どこで自分を活かせるか、そのためにいま何をやらないといけないかを考えて、そこでやるべきことを実行されている。
アメリカ出張中にアメリカの研究者が研究に成功したと聞いて、帰りの飛行機で論文を書き上げて投稿して競争に勝ったというくだり、いまでも電車の中で英語の勉強をしているというところ、自分の気持を奮い立たせるには十分すぎる。
すばらしい。
山中ファンだ。

久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった2017年10月30日 12時55分17秒

自分らの世代は久米宏さんの影響を多かれ少なかれ受けているのではないか。
僕は小学生の頃はザ・ベストテンに夢中になり、その後、夜の10時からはニュースステーションでその日の出来事を知るという生活だった。

ということを思い出す感じかなと思って買ってみたけど、そんな本ではなかった。
久米宏さんがまだ駆け出しの頃にどれくらい考えて努力して走り回ったかがわかった。
もともとの才能だけではない努力で上に立つという姿。
まだまだ頑張らなきゃと心奮い立つ素晴らしい本。

奥田英朗、北方謙三、辻村深月、須賀しのぶ、荻原浩、山本兼一2017年10月30日 12時54分29秒

家日和 奥田英朗
短編集。
処分に困ったピクニック用テーブルをふとネットオークションに出して売れたのをきっかけに家にあるものを売る衝動を抑えられなくなった主婦、勤め先が倒産して主夫をやりだして、もと同僚が新しいを仕事を誘ってくれてもむしろ主夫のほうがいいかなと思うようになった男性、奥さんが出ていって残されたマンションを自分の好きなようにオーディオルームとして充実させ始めた男性など。
何に共感とかないけど、ありそうな光景が面白い。
ちなみに「人間到る処青山あり」は初めて知った。○

抱影 北方謙三
世間から離れたところで生きる画家、その絵に惚れた画商、画家志望の女性。
北方ワールド。○

島はぼくらと 辻村深月
瀬戸内海の島に住む高校生男女4人、そこに東京から脚本作家が幻の脚本とやらを探しにやってくる。
終盤、女の子どうし、相手を慕うとこがいい。○

雲は湧き、光あふれて 須賀しのぶ
高校野球の公立校の強豪、超高校級のスラッガーがいるが、自分はその彼のわけあり専属代走。
で、この本、意外に短編集だった。
二つ目の女性記者さんのお話がいい。○

月の上の観覧車 荻原浩
これも短編集。
自分の過去を何かに重ねて振り返るお話が多い。
何かの拍子に自分の過去が頭に浮かんでくることがある。
そんな感じか。
日常は意外と普通の日常として流れていく気もするけど。
表題作は父親の事業を引き継いでやってきた高齢経営者が観覧車で振り返るお話。
人生いろいろ。○

火天の城 山本兼一
初めて読む作家さん、同僚の勧めで借りて読む。
信長が勢いあるときに安土城を築くときの職人たちのお話。
ものづくりに魂を注ぐ話は面白い。
自分の仕事と重ねるところもあり○。