わからないことだらけのサクラマス2008年07月10日 22時12分33秒

天塩川では魚類調査をしているのですが、サクラマスもひとつの対象魚種です。
サクラマスはサケ科で、鮭と同じように川で生まれて一度海に下って回遊して再び川に産卵で戻ってきます。
海から戻ってきたサクラマスの成魚は、鮭よりは少し小振りですが、知らない人が見たら全部鮭に見えるような魚です。
ちなみに海に下る前の川にいる頃の姿をヤマメといいます。

海から戻ってきたサクラマスは春先に海から川に入って、秋に上流の支流に入って産卵するのですが、実はその間をどこでどうやって過ごしているのかさっぱりわかっていません。
魚の専門家でも、個別の川のことになると、詳しいことはよくわからないようです。

川にある堰や頭首工(農業の取水のための水門のような施設)が遡上の妨げになっているとも言われますが、増水の時にはジャンプして楽々飛び越えたりすることもあるし、そもそも増水の時には頭首工はゲートが倒されて妨げにならなくなったり、いろんなことが複雑でなかなか一概に言えません。

昨日も天塩川に行ってたのですが、その時に少し時間があったので天塩川の支流の名寄川のほうにも行きました。
そこでゲートの管理で毎日川に通っているという地元のおじさんと話をしたら、数週間前には真っ黒になるくらいサクラマスが上がってきてたよと言われていました。
本当に真っ黒なのかどうかはわかりませんけど、それくらいたくさんのサクラマスが遡上してきていたのは事実でしょう。
だけどそんなサクラマスの群れがいま一体どこに行ったのか、これもまた誰もわかりません。

わからないことだらけだから調査するんですけど、調査すればわかるかというとこれまたよくわからない。
ま、少しずつはわかることは増えるんですけどね。

そんなことで、また明日も天塩川に行きます。
わかることを増やすために。