北海道の海岸線にトンネルがどんどん増えている2008年08月16日 09時58分01秒

先日、札幌から北に向かって日本海側の国道をドライブしてきました。
その前は小樽から積丹方面に海沿いの道を通ってきたのですが、海岸沿いの国道では今もどんどんトンネルがつくられていますね。

おとついは穂別にキャンプしに行ってきましたが、帯広に向かう国道でも新しいトンネルが工事中でした。
新しくつくられるトンネルは海岸沿いに限ったものではないのかもしれませんね。

ただ、ドライブではトンネルって嫌ですよね。
景色が見えなくなるし、うるさいし、怖いし。
トンネルで道路をショートカットしなくても、もとのぐにゃぐにゃ道のまんまでもいいんじゃないのかなって思ったりします。

でも特に海岸沿いの切り立った崖の下の道は、落石事故の危険性が高いんでしょうね。
なのでいっそ岩盤の中に道を通してしまった方がむしろ安全なのかもしれません。
山間部の道路でも、カーブが続くより直線にショートカットしたほうが、カーブでのはみ出し事故が減って安全なのでしょう。

だけど、安全と引き替えに景色を楽しめる道がどんどん減っていくのかなって考えると、ちょっと割り切れない気もします。
安全がひっかかると、ほかのことを差し置いて、安全を高める発想に突き進む。

この理屈、何か思い当たるなと思えば、河川でも同じなんですよね。
洪水から人を守るための治水事業。
人の安全はどんどん高まったけど、それと引き替えに川が直線化して水路の様相になった。

僕もよくわからないんです。
何が正解なのか。

やっぱり人の命を守るのって最優先でいいと思うんです。
水害にしても、交通事故にしても、毎日のようにどこかで人が亡くなっていて、そんなニュースを見聞きしているので、自分の知らない他人が亡くなることにあまり感情が揺さぶられることはありません。

だけど、これが身内の話だったらどうなのか。
目の前の落石で、自分の家族が亡くなるとしたらどうなのか。
増水した川に自分の家族が巻き込まれたらどうなのか。
やっぱりそんな事故には遭いたくないと思うでしょう。

そんな場面に自分や自分の家族が遭わないとは限らないと考えれば、道路の安全を高める工事や治水事業も、ただ景色が悪くなるとか、直線の川は自然じゃないとかいう理屈はどこか他人事のように思えます。

それでも、そんな安全最優先での考え方で、まっしぐらに道路や川の改良を進めていけば、何か物足りないものが完成品として世の中にできていくような気もします。

どうしたらいいんでしょうね。
そこが技術者の知恵の絞りどころなのでしょうが、非常に難しい話です。

ただひとつ言えるのは、それを難しいからと言って考えるのを諦めると、もうそこで終わってしまうということでしょう。
正解はないのだから、悩みながら考え続けて、できる限りの知恵を出すことが求められます。
ねばり強さが必要なんです。