これから維持管理の時代と言われて2014年11月04日 21時53分29秒

これからは維持管理の時代で、これまでにつくられたモノを更新・維持していくのだという話、公共事業に関わる仕事についているから特に聞き飽きるほど耳に入る話であるが。

問題としては、昔ほどの景気回復が見込めないとすれば、公共投資に回すカネがどんどん増えるというわけにはいかず、つまり回ってきたカネは維持管理につぎ込まれていくということになり、新しいモノがつくれないということがよく言われる。

まあそれでもいいじゃないかという見方もあるけどそれは置いといて。
その分野の実務にどっぷりはまる身として、もうひとつ大きな懸念が頭をよぎる。

維持管理が中心だといわれて、やる気ある人がどれだけ入ってくるのだろうか。
維持管理という言葉に魅力を感じて勢いよく飛び込もうという人っているか?
いないとは言わないけど。

僕らより30年くらい前に、まさに高度成長期に働き盛りでガリガリと仕事していた世代はおそらく仕事が面白くてしょうがなかっただろうと思う。
世の中の勢いを感じ、世の中から求められるモノを生み出すことに対する無意識のやりがいを感じて仕事をどんどん進められる。

前の世代がつくったものをきちんと管理・更新してちょーだいと言われるところに、よし私がそれをやってやろうと積極的に足を踏み入れたいと思うひとがどれだけいるか。
やる気に満ち溢れている人はたいがいは新しいものを生み出すところを目指す。

仕事って、意識の高い人がやるのとほどほどの意識の人がやるのとで、出来は全く違うということが仕事を20年近くやってきてわかった。
やり方や技術が構築されている分野で仕事の質が高くなるのではなく、そのときに高い質を求めようとする人がいる仕事の質が高くなる。
仕事の質はマニュアルに左右されるのではなく人に左右される。

こういう総論としての暗い話だけすると先行き真っ暗ということになってしまう。
もし若い人に何かを伝えるとすれば、総論ではなく、それでも個々の仕事は面白いという各論と、総論を語るとすれば、それが世の中の人のどれだけの役に立っているかという永久不滅の基本論になるのか。
それも悪くないけど熱意をもって語れるか。