早見和真、桜木紫乃、小川洋子、三島有紀子、葉室麟、貫井徳郎2016年11月13日 11時25分21秒

軽い小説を読みたいのだけど、いざ本を選ぶときには軽いものを選んでいない気がする。

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ひゃくはち 早見和真
高校野球の強豪校でメンバーに入れるか入れないかの部員だった主人公、社会人になってから恋人とのやりとりでその頃を思い出す。
でもさわやかな青春小説という感じでもない。
ひとりの青年の過去を聞いているだけの小説という感じで普通に○、読後感も○。

無垢の領域 桜木紫乃
釧路で自立しきれない書道家の主人公が、個展で若い女性から自分が感じている自分の限界の理由をずばり指摘される。
この若い女性が表題の無垢。
展開のせつなさに○、読後感も○。

ことり 小川洋子
小鳥を世話する男性、もとは兄がいて、兄は小鳥と会話できる人だった。
そのほか兄の特異な行動とかやや読みづらく△、読後感も△。

ぶどうのなみだ 三島有紀子
イラストレーターになろうとして女性、がつがつしたところが足りないことが絵の不満と指摘され、やめて車で移動しながら音楽と絵の放浪生活をしながらアンモナイトを掘ることにする。
北海道のある場所でアンモナイトを探すために穴をほってワイン造りの男性から叱られる。
わからないでもない展開だけど読みにくくて△、読後感も△。

蜩(ひぐらし)の記 葉室麟
藩のある罰で、元奉行の監視につく。
その元奉行はある女性との関係を理由に幽閉と10年後の切腹を命じられていた。
切腹のときが迫る中でのこの元奉行の生き様に心が動く。
生きるなかでの信念を考えられるような感じで○、読後感も○。

明日の空 貫井徳郎
帰国子女の高校生、アメリカ帰りで日本の習慣に馴染めずも、仲良くなった男子とうちとける。
が、その後、不可解な出来事が続く。
軽めのミステリーで○、読後感はいまいち△。