大学での講演の感想が届いた2008年09月17日 19時43分08秒

7月に北見工大で大学3年生向けに特別講義をしたのだけれど、そのとき僕を呼んでくれた友人の先生が、学生達が書いた授業の感想レポートを送ってくれた。
当日の感触からそんなに悪いことは書かれていないだろうなとは思いつつ、やはり読み始めるときは少しだけ緊張した。

一気に全部目を通したのだけど、面白かった、わかりやすかったという感想を書いてくれた学生さんが多くてほっとした。
だいぶ興味を持って聴いてくれたようで、役割は果たせたかなと安心した。

ただ、聴いていたのは土木系の学生さんがほとんどのはずだけど、感想を読んでみると、意外と土木系の仕事にあまりいい印象をもっていない様子だ。
税金を使ってただ工事をしているだけとか、工事によって自然を壊しているとか、役所のご都合だけで動いているとかいう印象を持っているようで、講演を聴いて自然にも配慮した工事がなされていることを初めて知りましたというコメントを読むと、そればかりではないことを伝えられたのは良かったとしても、そもそも今でもそんなに印象が悪いのかとちょっとがっかりした。
たぶんそんな印象をもったまま就職活動に入っていけば、たぶん土木系にいながら、土木系以外の分野を目指すことになるだろう。

ま、でもそれはそれでいい。
大学を大卒という肩書きを得ることに使って、その先の人生はまた方向をリセットして進み出すというのも、個人個人の人生だ。
興味が自分の中から湧き起こってこない分野に進んでも長続きはしない。
方向をリセットするなら早いほうがいい。
後ろ向きな発想しかできず、最初から愚痴しか言わないような人が入ってきてもその面倒は見たくない。

一方で、土木出身でも環境に触れながら、生き物を大事にする計画を立てるという仕事があることが初めてわかりましたというようなことを書いてくれた学生も少なからずいたので、負のイメージしか持っていなかった人に別の観点からの興味関心をもってもらえたのなら僕はとても嬉しい。
その中の一部の人でも、興味関心がさらに進んで、やる気を持ってこの分野に進んできてくれる人もでるかもしれない。

もっと言うと、たとえこの分野に来なくても、あんな風に仕事を楽しそうにやってた人がいたなという印象が残って、自分が進んだ業界でしっかり前を向いて仕事をしようと思ってくれたらいい。
ま、そこまで思ってもらえるほどの講義ができたかどうかはわからないけど。

これまで頼まれて講義をしたときにいつも思うのだけど、面白い話をしようと思ったら、普段の仕事をしっかりやっていないと何も出てこない。
言われたことをただこなすだけだと、工夫もないし、そんな話を並べて話しても何も面白くない。
そもそも喋る本人も面白くない。
講義のためではないけれども、普段からもっとちゃんと仕事しよう。