優等生の不幸その22011年05月26日 19時55分17秒

人のふり見てるとふと何かに気づくときがある。

ある若い人を見ていて思ったんだ。
彼、間違ったことを言わないようにという意識が強いんだな。

「酒は飲みすぎないようにしてます」
「遅刻しないように早めの行動に気をつけてます」
「身だしなみって大事ですよね」

確かにひとつひとつのフレーズはその通りなんだ。
そうやってりゃ誰も叱らないし、むしろ褒めてくれるかもしれない。
できたヤツだなって。

でもね、ちょっと意地悪かもしれないけど、僕は彼の優等生的な言葉を聞いてると「僕はこれだけのことをやってるから文句ないでしょ」という予防線を張ろうとしてるように見えちゃったんだ。

優等生育ちって、一番の特徴は、叱られ慣れしてないことなんだ。
勉強ができて、日常の態度も悪くないから、先生から叱られる機会が圧倒的に少ない。
叱られる機会が少ないと、さらに叱られないようにという安全策の振る舞いを覚えていくんだな。
そして、それがひとつひとつの言動に表れていく。

いいんだよ、別に。
叱られないように無難な行動をとることは。
危険な場面に遭いにくいし、酒飲みすぎて職場で酒臭い息を振りまくという失態はやらないだろうし。

でもねえ、その優等生的な発言が、自分の枠を決めてしまうということになっちゃうなとも思ったんだ。
危険を冒さなかったら、自分が想像できる範囲内の行動しかできないよね。
自分の想像を超えたところで、自分がどんなことができるか、そういう経験ができない。
枠の中で行動するのは安心した状態でいられるのだ。

なので、そういう枠の中で居続ける人は、大化けしない気がするんだよ。

いや、いいんだよ、大化けしなくても。

でもね、大化けするかもしれないなって思わせる人のほうが、何となく魅力を感じるんだよなあ。
見ているだけでも楽しみだし。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://gotoriver.asablo.jp/blog/2011/05/26/5881247/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。