いい打ち合わせの条件は?2007年10月07日 22時19分15秒

いい打ち合わせの条件がひとつある。
それは予習を徹底させることだ。

実際は難しいことはわかっている。
打ち合わせ資料は、相手には当日、その時に配られるだけだから。
事前に渡しておこうと言っても、
その業務の担当者はいろんな仕事を抱えながら資料をつくるので、
時間がなくてぎりぎりまで資料づくりに追われるのがほとんどだ。

悪い打ち合わせとはどんなのかと聞かれたと想定したら、
どんな場面が想像できますか?

・担当者の説明が悪い
・堂々巡りの議論をする
・決めるべき人が決断しない
・報告ごとが多くて議論にならない
・意見が出ない

などなどいろんな場面が出てきそうだ。
だけど、僕が思うもっとも悪い打ち合わせが、これ。

・瞬間の思いつきの判断で重要なことが決まってしまう

資料をつくる人は、作業しながらいろんなことに気づき、目がとまり、
それらを取り込むか捨てるかに迷い、
思考をフル回転させて提案内容を考えて、
最終的に資料をまとめる。
作業の過程でとにかく考える。

その考えたことを打ち合わせで議論する場合、
結果として喋る側と聞く側に、
それについて考えてきた時間の蓄積量に差が出てしまうことになる。
説明者が膨大な時間を費やして考えてきた提案内容を、
聞く側はその時だけの瞬間的な説明で理解し判断しなければいけない。
と言うか、そうしなければいけないと思いこんでいる場合が多いと思う。

そうすると、判断する側は深く考えて理解して判断する余裕はなく、
瞬間的にぱっぱと判断を下す。
つまりスピードが求められるのだ。
しかしスピードを求めすぎると、
時間をかけた深い議論はできない。
時間をかけてやりとりしているうちに出てきたはずの
さらにいいアイデアが浮かび上がる機会を逃す。

しかもスピードが求められる場面では、
頭の回転のいい人だけがついて行けるので、
結果としてそんな人だけが発言でき、
ついて行けないひとは黙って聞いてるしかない。
発言者が限られていく原因になる。

ちょっと立場が上の人達と打ち合わせするときは
こんな状況になりがちではないだろうか。
忙しい人は時間がないから
てきぱきとやろうっていう雰囲気になりやすいし。

打ち合わせは物事を決める場だ。
だからこそ瞬間の思いつきの判断で物事を決めるべきではない。
時間を使って深く考えた人と、
ほとんど考えていない人が最初から同じ土俵にのるべきでない。

とすると、どうしたらいいのか。
瞬間の思いつきにならないようにすることに知恵を絞るべきで、
判断する人が「瞬間の判断」にならないように、
その前から考えておいてもらうようにし向けるのがいい。
予習してもらうのだ。

となると、予習してもらうことに知恵を絞らないといけないことになる。
事前に資料を渡しておくだけではダメだろう。
忙しい人はほとんど読まない。
これには答えはない。
その場その場で考えないといけない。それも仕事だ。

人によってはメールでもいいし、
fax送って届いた頃に電話して簡単に説明するというのでもいいだろう。
メールでも、添付ファイルではあまり読まないから本文に書こうかとか、
それでも読まないから、メール送って電話するかとか、
臨機応変にやらなければならない。
ここで仕事ができるかどうかが分かれる。

いい議論ができるための原則というのはいろいろあるだろう。
それこそちまたにあふれているビジネス書を読めばたくさん書いてある。
だけど、聞く側も予習できる環境をつくって、
皆が一度じっくり考えてから議論にはいる。
これがいい議論を伴ったいい打ち合わせをする、
非常に重要なことではないか、そう思うようになった。

実際にはなかなかうまくはいかない。
だけど少しずつトライしていこうと思う。

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