防潮堤に関して2011年03月21日 07時46分53秒

震災に関係することは書きにくいのだけど、ひとつだけ書こうと思います。

岩手県宮古市田老地区に「日本一の防潮堤」というものがあったのだけど、津波は堤防を越えて街に流れ込んで、街を破壊して犠牲者も多く出たということです。

報道する方々が現実をどう伝えるかによると思うんですが、「日本一の防潮堤も何の役にも立たなかった」というニュアンスで伝わるとどうかと思うんです。
いろいろな見方はあります。
強固な施設で守られている安心感が、むしろ危機意識をゆるませたとかね。

でも、たぶん少なくともこれまでいくつもの災害はそれで防がれてきたのだと思うんですよ。
その堤防がなかったら、普段からちょっとした気象変化でも災害にさらされることになっていたかもしれない。

「堤防が街を守るはずじゃなかったのか」という見方もあると思います。
ただ、やっぱり限界はあります。

そのあたりを、伝える人はきちんと伝えてほしいなと思います。

特に行政主導で進められる公共整備は、伝える人が批判的な内容で伝えると「やっぱりけしからんな」というトーンで広まりやすいですから。
否定の感情をあおってしまうんです。
なぜか、役所のやることって、はけ口のように否定の矛先を向けられやすいですね。

悪いことは悪いで批判すればいいと思いますが、そうでもない面も含めて、きっちり伝えてほしいと思います。
で、少なくとも技術に関わる人は、そのあたりを冷静に、客観的にとらえられるようにしておかないといけないと思います。