愚痴は問題解決の最初のステップだけのこと2008年05月04日 06時04分50秒

いろんなことの問題解決が必要になったとき、基本的なステップに分けて考えるとわかりやすくなります。


第一段階:きっかけの何かがある
何かトラブルが起こったり、これではダメだって不満を感じたり、つまりは「問題発生」で、きっかけがなかったら何も始まりません。

第二段階:じゃあどうなればいいのか?
理想の姿を考えます。理想でなくても、現実的に手が届くところでもいいです。
大事なのはあるべき姿が見えるかです。「目標設定」とでも言いますかね。

第三段階:どうやってやろうか?
具体策を考えます。あるべき姿は見えたけど、どうやっていいのかわからないというのはこの段階での手詰まりです。
アイデアが求められるので、考える立場の人は頭の中にいろんな引き出しを持っておく必要があります。
「戦略・戦術立て」かな。

第四段階:やる
「実施」です。立てた具体策に沿って実際にやってみます。やってみたらうまくいかないこともあります。
構想が完璧だったとしても、実際には人が動き、自然が動き、世の中が動くので、やっぱり動き出したらその瞬間ごとの対処が必要になります。
構想通り進まないのが当たり前くらいに考えておいたほうが良くて、しなやかな対応ができるのがいいですね。


僕の思う基本パターンはこんな感じですが、場面によっても変わります。

「溺れている人を見つけて、飛び込んで助けた」
第一段階の問題発生からいきなり第四段階の「実施」に飛んでいます。
ま、頭の中で一瞬にして助けよう!という目標設定と、俺が飛び込もう!という戦略を考えてるんでしょうけど。

「新入社員はとにかくこれをやれ」
新入社員や卒論学生なんかは、いきなり第四段階から始まることもあります。
とにかくこれをやっておけ!と。
やる方法も示されて、何だかわけわからないままにやることだけはやる。
詰まったときにやり方を考えて(第三段階)、やった結果が良かったのかどうかを照らし合わせるのにもともとの目標を確かめて(第二段階)、この仕事(研究)はそもそも何の目的で始まったんだろうと我に返ってもとを調べ出す(第一段階)というように、逆にさかのぼっていく。
さかのぼっていけばいいほうで「やれと言われたことをやりました」で終わってしまうと何にも身に付かない。

また違うパターンとして「仕事の愚痴をだらだら言う」というのは第一段階のみしかないことで、じゃあどうなればいいのかとか、そのために自分は何をするのか、何をしたのかというのがない状態だということです。
特に、その人自身が「どうなればいいのか」も「どうすれば良くなるのか」というイメージを持っていなければ、聞くのはただつらいだけです。

「行動力がある」という言い方がありますが、この第四段階に移れない場合が多いんでしょうね。
もしくは第三段階の道筋から立てられない。
第二段階の「あるべき姿」だけだとただの評論家になってしまうんですけどね。
評論も実施までのステップになっていればいいんですが、立派に評論することで終わってしまう場合もよくあって、身の回りでそんな話ばかり聞かされると「口先ばかりでなくて、お前が何かやれよ」と言いたくなります。


唐突にこんなことを書いてみましたが、技術士会のあるべき姿というのを考えているうちに、一度整理しておこうと思い立って書くことにしました。

ちなみに、こういう組み立て方は技術士試験の経験論文を書くのに役に立つんですよね。