必須アイテムを忘れたときのみじめさ2009年02月26日 06時29分11秒

去年の夏、ある工事現場の見学会に参加したときのこと。
渋々の参加で気乗りせず、しかもほかの参加者は○○建設というような現場工事の人がほとんどのようで、何となく作業着と長靴くらいの準備であとはぞろぞろついて回ればいいかなというくらいにしか考えていなかった。

集合してバスに乗って現場に到着。
工事中の現場の前で、施工を担当されている会社の人の説明が始まった。
その時気づいた。
ヘルメットをかぶっていないのは僕だけだ!

そう、工事中の現場を歩くのにはヘルメットは必須。
言われなくても持って行くのが常識中の常識だ。
そんなことにすら思い至らなかった自分の安易さにがっかり。
それより、まわりがみんな常識な身なりをしている中で、自分だけ装備に欠けてるというのは、こんなにも居心地が悪いのかと。
まわりから「彼は何だ、ヘルメットを持ってきていないのか」と見られているような、常識を知らないことがばれたような感覚になって、もう、早く現場が終わらないかとそればかりを考えるようになり、とても現場視察どころではなくなった。


冬、ある業務で大学の先生のアドバイスをもらう会議があり、同僚とともに出かけていった。
ただ、先生が予定より早く札幌に到着したとの連絡で慌てて会社を出たこともあって、ひとつ忘れ物をした。

名札

先生とは2回目で、できれば「ああ、あのときの山本さんね」と思い出してもらえるためには名札は必須。
でも忘れたものはしょうがない。
会議としては、僕はメインの立場ではないから、名札くらい気にしなくていいかなと思った。
だけど、やっぱり気になるのだ、名札をつけていないことが。
しかも見渡すと、自分以外の会議参加者は役所の人も当社の人間もみんな名札をつけている。
そうなると、また「名札くらいつけるのが常識だろう」とまわりから見られているような気がしてきて、もうそわそわ。


先日、インフルエンザらしき体調の悪さで病院に行ったときのこと。
診察を受けたあと、看護師さんに採血をしてもらっているとき「マスクは持ってきてますか?」と聞かれた。
「いいえ」と答えて、そのあと待合室に戻ったとき、「へーっくしょーい!」と大きなくしゃみ。
そうすると看護師さんがマスクをやってきて、とりあえずこれをつけてくださいと。

病院に行く前に、たまたまインフルエンザの特集のテレビを見ていて、くしゃみでウイルスが10mくらい飛び散ること、ウイルスは半日くらい部屋にとどまるということで、だからマスクは必需品だと知ったところだった。
せっかく学習したのにどうしてマスクをつけなかったのか、自分の横着さにがっかりして、でもそれより、インフルエンザにマスクは必須という常識を知らない人になってしまったことで、とても居心地が悪かった。


ちょっと気を抜いて身につけるべきものを身につけなかったことが、どれだけ自分をみじめな感覚におとしいれるか。
学習しているようで学習できていない。
いまだに失敗ばかりなのである。