温暖化と河川計画2008年12月05日 22時04分44秒

東京であった建設コンサルタンツ協会主催の「河川講習会」を聴きに行ってきました。

内閣府では危機管理対策として、1/1000年確率の洪水が発生したときの被害推定をしたそうです。
(これは少し前に新聞にも載っていました)

1/1000年確率の洪水って全然想像できませんね。
でもあながち非現実的な話ではないのかもしれません。
災害っていつどこでどんな規模のものが起こるか全くわかりませんから。

あと、温暖化で降水量が増えると、いま進められている河川改修などの治水対策が追いつかなくなるという話もありました。
(これも専門家の間ではもうだいぶ知られている話です)

だけどこれは実際の治水計画に反映させるときにちょっと面倒になるかもしれませんね。
というのは「予測」を治水計画に入れるのは意外と難しいからです。

これまでの治水計画は過去の実績をベースにつくる考え方で成り立っています。
つまり、過去の降雨例を統計的に整理して、その生起確率から計画値を設定します。
このような実績ベースの計画論から、予測ベースの計画論に変えるには、発想を180度変える必要があります。

過去の実績であれば、もうすでに起こったことが基礎データなるので、ただの統計解析だけですみます。
だけど、予測ベースになると、その予測計算自体の精度がまず問題になります。
例えば「この先10年で降雨量が2割り増しになる」と言われたとして、その2割り増しということの信用性が高くないと、計画論には使いづらいですね。
ちょっと難しい。

でも難しいから知恵を絞る価値があるということでしょうかね。
講演を聴きながらそんなことを考えていました。