青い旗だらけの建設業界2011年02月01日 23時01分10秒

先週号のAERAを先週立ち読みしたら、就職に関する記事に目がとまった。
たくさんの業界を分類した上で、著名人が大学生の就職先として勧めるか勧めないか、勧める業界には赤の旗、勧めない業界には旗を立てて示していた。
案の定というか、建設業界は見事なくらいに「勧めない」の青い旗だらけだった。
想像はできたとは言え、こうもあからさまに「勧めない」だらけの結果を見るとがっかりというか、空しさで何とも言えない気持ちになった。

この業界、ゼネコンもコンサルも逆風の嵐が吹きまくっている。
吹き続けていると言うべきか。
建設業界、良かった時代の記憶を引きずって、ロマンとかに頼るものの言い方はしたくない。
僕もこの業界を人に勧めるか勧めないかと聞かれたら、はっきりと勧めようという気にはもうならない。
不幸の道へ誘い込むような感覚にもなるからね。

ただ、社会的に担っている役割ってやはり大きいはず。
橋とか道路とかにしても、もちろん河川にしても、考える人も工事をする人も、いなくなれば社会は成り立たなくなる。
人がいなくならないにしても、行くところがないからきましたとか、とりあえず働いてお金くれたらそれでいいというくらいの人であふれるようになると、公共物の質が下がっていくだろう。
出来損ないのモノだらけになっていく。
意識の低い人ばかりで公共物がつくられたり更新されるようになる。

道路や橋や河川がなくならない以上、この業界がなくなることはない。
なので、例えば炭坑がなくなって炭坑の技術者がいなくなったということと同じにはならない。
でも魅力のない業界にはやる気のある人、優秀な人は来ないよね。

どうすればいいんだろうか。

少なくとも、興味を持った人が失望してほかに向かうということだけは避けないとね。
それをいまこの業界にいる人が考えないと。

誇大広告ではなく、この業界の魅力を伝えることは必要。
それに、それなりに儲かることも必要。
語弊があるかもしれないけど、儲からない業界に若い人は飛び込んでは来ない。
当たり前だよね。

どうすればいいんでしょうか。
このままやる気二流の人をしょうがなく受け入れる業界になっていくのでしょうか。

そんなことを考えていると、たまたま日経コンストラクションの年明け号が社内回覧でまわってきて、馬淵前国土交通大臣のインタビュー記事が載っていた。
そこで、馬淵前大臣ははっきりと、インフラがある限りは人と予算が必要だと言われていた。
それは業界を守るという狭い意味ではなく、社会的に重要な役割を担っているという本来の意味から来ているという内容だった。
決して業界寄りだからとかそんなことではなく、表面的な公共事業嫌いの風潮に流されないトップとしての見方に僕は共感を持った。
が、あっという間に国土交通大臣は替わっていた。

もしかしたら、こういう議論を、いろんな業界でやってるのかもしれないね。
例えば、教師なんかも過酷で給料も上がらないから志望者が減っているとか(想像だけど)、農業とか漁業とか、さらにもしかしたら電気とか情報系とかも人材面でいろんな悩みを抱えているのかもしれない。
どうなんだろうね。