土木学会全国大会で考えたことメモ-22009年09月05日 20時31分10秒

○ CommonMP:コモン・エムピー
国土技術政策総合研究所(国総研)が主体となって開発している水文・河川の解析ソフトで、でもこれ自体が計算するわけではなく、いろんな研究者が開発した解析モデルをここで組み合わせて使えるようにしたプラットフォームだ。
(言葉だけの説明では理解しにくいけど)
もうプロトタイプがサイトにアップされていて、すでに100名以上がダウンロードしているそうだ。

実質リーダーの先生によると、特に河川の治水計画を一般の方に説明したときに、「国土交通省はどうせ都合のいいように計算したんだろう」と言われたり、計算結果が信用されていないんだと。
本当はきちんとした計算をしていても、計算自体が難しいこともあってブラックボックス化していることが不信感の原因になっているとしたら、ソフトをオープンにして信用性を高める必要があるということで、このプロジェクトが始まったとのこと。

役所にとってもコンサルタントにとってもいい展開だね。
事業の説明内容の信憑性が高まるし、コンサルとしては高度な計算が容易になる。
ただプログラムコードの公開は賛否両論あると思う。
開発者にとっては、公開することで質が高まるということは頭では理解できるんだけど、なかなかね、複雑なプログラムを自信持って公開する勇気がないんですよ。
明らかな間違いを指摘されたりしたらダメ烙印を押されそうな、そんな強迫観念がある。
そこを乗り越えないといけないんだろうけどね。


○河道内樹林(河畔林)に関する数値計算
いくつかの研究発表があって、とても参考になった。
粗度係数の設定や、透過流れとして扱って倒伏の検討までやられている研究があったり。
計算で河畔林をどう扱うか、これで大丈夫という確立された考え方が早くできればいいと思う。


○自分の発表
ショウドウツバメの繁殖地でもちあがった護岸計画について、数値計算の結果を使いながら、計画自体を先延ばしする提案をしたことを発表した。
話ながら会場を見渡すと、みなさん真剣に聴いてくれて、しかも笑顔気味の表情の方もいて、質問・コメントも数件もらえたので、発表はそれなりに面白く伝わったんじゃないかと思っています。


ところで、大人になって福岡を訪れたのは初めてでした。
福岡の地下街を歩いていると、人通りがすごくてびっくり。
想像以上に街の活気を感じました。