上司のあるべき姿2009年09月09日 06時57分43秒

これまで僕はふたつの会社でいろんな上司を見てきたんだけど、ほんとにいろんな人がいた。
明るくてきぱき部下に指示して仕事をさばいていく人、あとからねちねち仕事を持ちかけて部下と一緒に暗くなっちゃう人、人柄だけが頼りのような人、プライベートにさりげなく気をかけてくれて相談したくなっちゃう人。

いろんな人についたけど、僕はいい上司に恵まれてきたと思う。
いま、仕事で判断に困ったときとか、グループのメンバーの指導で迷ったりしたとき、これまでの上司の顔が何人か浮かんで、「あの人だったらどんな指示を出すだろうか」とか「どんな顔でどう声を掛けるだろうか」とか見本になってくれる。
僕はそんな上司達のイメージで、日常の周りへの接し方を決めているような気がする。

厳しい上司、優しい上司という分け方もあるんだけど、厳しいから嫌で優しいから好きとは単純にはならなかったね。
むしろ厳しいくらいの人のほうが上司としては良かった。
優しい上司って、だいたいは厳しくできないから優しい態度をとってるだけで、優しさが甘さにつながることがよくあって、その甘さに甘えて中途半端な仕事をして仕事先で恥をかくという場面もあったりして。
そうすると社内では厳しくされて、外に出たときに胸をはっていられるほうがよっぽどいいなって思うんだね。
だけど、厳しくても暗い人だったら部下としてはつらいだけで、明るく厳しいというのが理想かなって思ってた。

でね、毎日の職場でのやりとりを考えたら、上司が厳しいか優しいかが部下にとってはすごく大きなポイントに感じるんだけど、実はもっと大事なことがあるんだ。

認めてくれているかどうか。

部下はわかるんだよね、上司が自分のことを認めてくれているかどうかが。
厳しくされていても、自分を育ててくれようとしているだとか、自分の将来を考えてくれているんだとか、言葉の端々でわかるんだ。
そうすると、仕事がきつくてもこの上司についていこうって気になるんだね。

たぶん、その時に上司としては部下のことを、彼は仕事ができるから認めるとか、仕事が丁寧だから認めるとか、性格が優しいから認めるとか、そうやって限定したらダメなんだろうな。
だって、そうだとしたら、条件があわなかったら部下のことを認めないってことになってしまうでしょ。

だからね、とにかく認めるんですよ、部下のことは。
無条件でまず認める。
先日受けたコーチング研修でも同じようなことを言ってたね。

上司も人間だから好みはあるんだよ。
だけど、好き嫌いと認めるかどうかは別の問題。

隣り合った部署があってね、片方は日常からよくみんなで飲みに行ったりして仲良く見えていた。
もう片方の部署は、いつもバラバラで仕事していて関係も淡泊。
でもね、仲が良さそうに見えたほうの部署でよく問題が起きたんだ。
僕は両方の人たちと接していて、確実に違うことがあるなって思ってさ。
仲良さそうに見えたグループのほうの人と話をすると、自分の部署のメンバーのことをけなすんだ。
だから、仲良さそうに見えて実は連帯感はほぼなし。
それぞれ孤立しているんだ。

淡泊そうに見えた部署のほうは、クールに見えるけど、メンバー同士をお互い認め合っていて、仕事の議論は年齢差は関係なく対等。
普段飲みに行かなくても、お互いを認め合ってるから孤立感はないんだ。
大きな問題も起こらない。

それはね、僕が見ている感じでは、上司の考え方で左右されるね。
部下を尊重する態度をとれる上司がいると、自ずとメンバーはお互いに尊重しあうようになる。
逆に、上司が横柄(おうへい)で部下をコマくらいにしか思ってなかったら、みんなバラバラになって孤独になる。

とにかく部下を認める。

上司に求められる最低限で最重要なことなんだと思う。