「交渉学の基礎」研修を受けて…交渉を避けないことが大事なのです2008年12月01日 12時32分13秒

技術士会北海道支部主催の「交渉学の基礎」という研修に参加してきました。

研修に参加する前は、交渉の学問って一体何だろうというくらいの意識しかなかったのですが、世の中のあらゆるもめごとを論理的に整理する考え方があることにまず驚きでした(僕が知らなかっただけ?)。

アメリカでは外交、契約交渉、環境問題、家庭問題まであらゆることに対する解決手法が「交渉学」として研究されているそうです。

交渉ごとを学習で身につけようとすると、本屋でビジネス書を買って読むくらいのことしか思いつかなかったですが、ビジネス書って個人の経験的な知恵で書かれたものが多いですよね。
交渉ごとが学問として論理的に整理されているということがわかっただけでも僕にとっては有意義でした。

ちなみに講師の松浦さん(東京大学公共政策大学院)によると、東大では交渉学を1年かけて授業していて、ちょっとしたトラブルから環境問題、国際紛争まで演習でケーススタディさせているそうです。
そうやって大学の時にしっかりと交渉学の考え方を身につけた人であれば、世の中で起きている些細な争いごとや、その解決の仕方なんて幼稚に見えるんでしょうね。

あと、もめごとの解決では、立法や司法による判断はだいぶ強制的な解決で、それより話し合い色が強いのが「調停」、交渉はその前にあたるとのことです。
つまり、当事者同士の交渉が前提にあって、それで解決しないときに第三者による調停があり、それでもダメなときに司法や立法による強制解決になるということです。

そうなんですよね。
いまの世の中、交渉ごとを避けて、すぐに上からの決定に頼ろうとしがちだと思うんです。
お互いに主張があるときにでも、当事者同士で話し合いしてお互いの妥協点を見つけるという努力をせずに、例えば「上の人から言ってもらおう」とか「組織としてどっちか判断してください」とか、有無を言わせない強制力を頼ろうとする。

ちょっと会話するだけで解決することもあるんですよね、本当は。

きちっとした交渉の知識をいくら身につけても、交渉する(会話する)こと自体を無意識に避けると何にもならないです。
そこが一番大事なことなのかなぁと思いました。

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