久坂部羊、萩原浩、櫛木理宇、前川裕、朝香式、両角長彦、武田綾乃、中村理聖、野中ともそ、額賀澪2017年02月12日 14時39分59秒

またばらした小説誌から。
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嘘はキライ 久坂部羊
内科院長、相手が嘘をいうと後頭部から煙が立ち上がるのが見え、嘘を見抜ける。
同僚から、昇進争いに嘘を見抜ける力を使って助けてほしいと頼まれる。
ほどほどの嘘はおそらくそれほど悪いことではない、ということか。
潔癖を良しとしない感じがほどよく○。

成人式 萩原浩
中学生のひとり娘を交通事故で亡くして5年、夫婦はできるだけそれに触れないで暮らす。
痛々しくて読めず△。

いつか来た道 荻原浩
16年前から母に会っていない女性、弟から母と会ってほしいと連絡が来る。
認知症。
リアルでこれも痛々しい。
ただ、じわっと考えさせられる感じで○。

住めば都 櫛木理宇
スーパーの店長、転勤でやってきた店は古い住民と新興地域の住民とのいさかいが絶えないところにある。
些細なことが大きな問題になって店長にのしかかる。
何もかも捨てて逃げるのはひとつの方策だが。
いまいち開き直りきれない感じが△。

ダンス教室の亡霊 前川裕
予備校講師、かつて同じように予備校講師をしていた友人の妻から道で声をかけられ、彼女のダンス教室に通うようになる。
彼女と踊ることに惹かれるも、あとから教室に来るようになった別の女性が自分と踊りたがってうまくいかない。
展開が急すぎな感じもするが○。

三秒ルール 朝香式
大学卒業後も書道教室しながら書道を続ける男性、父親の再婚相手は、じっと見つめられると考えていることがわかられてしまう。
なので三秒以上は見つめないようにとルールを決める。
雑な女性の何となくの魅力がわかるようで○。

頼れるカーナビ 両角長彦
人を轢いていしまいあせったときに、カーナビが逃げるようにそののかす。
ルートだけでなくアドバイスもする。
片手間な感じで△。

白線と一歩 武田綾乃
放送部の高校生女子、NHKのコンテストが近づくが、自分は過去の失敗を引きずって出場をためらっているところに、部長から下級生の面倒を頼まれる。
下から見たときの上のふるまいは大人も子供も一緒で◎。

桜のおもいで 中村理聖
和菓子屋の一人娘、和菓子職人の祖父が亡くなったあと、母は春になると「桜狩」と言って街中の和菓子屋さんを行脚するにようになる。
その母が亡くなって、その行動が何だったのか疑問を持つ。
和菓子が食べたくなる感じで○。

て、ん、て、き。-スカ- 野中ともそ
20代後半女性、電車で知らない男の腕を「いい血管だ」とつかむ女性をみかける。
その後、体調不良のために点滴に行くと、そこにその女性がいた。
現実離れしているけどこんな人がいても面白いかなと思い○。

て、ん、て、き。金の雪 野中ともそ
親子三代、金沢で蒔絵師として働く男性、東京に百貨店の催事でやってくるも、体調を崩し病院へ。
そこで点滴女性と会う。
点滴より蒔絵に触れられて○。

女に溺れるほど若くなく 額賀澪
20代後半の劇団女性、相手役の男とともに、演技になにか足りないと監督から指摘される。
この年代の女性が考えることかと○。

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