LINE端子でBluetooth2017年01月03日 14時26分46秒

ラジコでラジオを聴くようになって、ふつうにチューナーでFMラジオを聴くようにラジコのラジオをコンポで聴けないかと(?)
で、同僚にいろいろ聴いたらどうやらBluetoothをキャッチしてLINE端子から音を入れるものがあるとのことで、早速買ってみた。

できた。
ということは、もうラジオは電波でキャッチするのではなく、ネットでつないで聴くものということになっていくのか。
それはラジオと言うのか?
しかもタイムフリー機能が中心になると、流れているのをリアルタイムで聴くのではなく、あとから選んで聴くという、テレビ録画のうような聴き方になるのか。
ま、何がいいとか悪いとかいうことではないが。

ところでこの機器、チューナーからのラジオよりやや音が小さくなるのはしょうがないのかな。
それさえ解消できれば言うことなしなんだけど。

真保裕一、小川糸、桜庭一樹、本多孝好、乾緑郎、友井羊2017年01月03日 14時35分16秒

年末年始、何をしようかとふと思いついたのが、たまった小説誌の整理。
ばらして、もう一度読みたいものを抜き出してみた。
もう一度と言いつつ、読んだ記憶のないものも多数あり。
しかも面白い短編がたくさん混ざっていた。

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ダブル・フォールト 真保裕一
若手弁護士、金銭絡みで金融業者を刺し殺した町工場社長の弁護に抜擢される。
過剰防衛で罪を軽くする見通しが立つが、ずっと頭に何か引っかかり続ける。
誰のために仕事をするのか、その仕事が誰のためになるのか、正義感が自分の浅
はかさの故なのか、自分の仕事を考えさせられる場面が随所にあり。
読み応えあり◎、読後感も◎。すばらしい。


にじいろガーデン 小川糸
6歳のひとり息子を育てる離婚しかけの主婦、駅で自殺しようとしていた女子高
生に一目惚れ。
息子を連れて駆け落ちし、女二人、男の子ひとりで田舎生活を始める。
レズ理解できず△、読後感は微妙○。


ロボトミー 桜庭一樹
元ボーカルのかわいい彼女と結婚したが彼女の母親が全く子離れせず、結婚式で
泣き続け、毎日娘に電話をかけてきて娘に構い続ける。
ある出来事のあといい加減にしろと殴りつけたら彼女は起き上がらなくなった。
何とも言えず悲しくやりきれない。
感動とはまた違うけど◎、読後感○。


ビザール 桜庭一樹
25歳女性、ツイッターに出来事を書いて他愛もないやりとりをする日常。
転職した会社で朝、隣の部署のおじさん社員と親しくなり、ツイッターのことも
話してしまう。
少し刺激が足りない感じも○、読後感は△。


言えない言葉 本多孝好
小4の少年、友達から「死神狩り」に行くぞと言われたが、標的は中学生の女子。
後をつけるも見つかり自分だけ捕まり、なぜ尾行したか、なぜ石を投げたか問い
詰められるが、石のことは知らない。
子供の頃、いろんな企みをしたことを思い出す感じで○、読後感も○。


溜池のトゥイ・マリラ 乾緑郎
夏休み、息子と団地の近所の神社のお祭りに行くが、最近、テキ屋が締め出され
てきちんとなったお祭りに、昔の縁日のような雰囲気がなくなった寂しさを感じ
る。
奥の池ではヘラブナ釣りの愛好者が自分ら以外の釣りを禁止する立て札を勝手に
立てて子どもたちを締め出す。
時代が変わり、社会がきちんとすることでなくなることがいろいろある。
いまの時代、昔の時代のお祭りが想像できて○、読後感も○。


一人ぼっちの王国 乾緑郎
女子高生、小説を書いて締め切りギリギリに投稿しようと郵便局に駆け込むも、
窓口のおじさんが余計なやりとりを始めてイライラして送れず。
大学生の兄が引っ越しバイトで近くの団地に行くと、大量の書きかけ小説を処分
する部屋だったと言う。
切なくなる感じが○、読後感も○。


団地の孤児 乾緑郎
認知症を患った母親の介護のため勤め先を辞めて弁当屋でバイトし始めた男性、
団地の自治会副会長を断りきれずに引き受ける。
自治会の会合で、団地の片隅の古ワゴン車に数年も住み着いている男が不審で何
とかしないとと話題になり、訪ねる役がまわされる。
きちんと思い出せない自分の過去の記憶が少しずつ明らかになっていく。
時代を想像できて、感傷的にもなり○、読後感も○。


シュークリームが膨らまない 友井羊
吃音症でいつも言葉に詰まり同級生との会話が苦手な女子高生カナ、料理が得意
な同級生男子から誘われて調理実習室でのお菓子づくりの講習に誘われる。
教え通りにつくったはずのシュークリームの生地がオーブンのなかで膨らまない。
くやしくて自宅で再びやってみるときちんと膨らむ。
そこである可能性に気がつき仕返しを思いつく。
理を持ってきちんと仕返しするところが痛快で○、読後感も○。

”チョコレート”が出てこない 友井羊
調理実習室からチョコがなくなった。
前日の鍵当番だったカナが犯人として疑われる。
チョコの性質からあることを思いつく。
チョコの知識がちょこっとつくとこで○、読後感も○。

カトル・カールが見つからない 友井羊
人探しを頼まれる。
おばあさんが街で女子高生に親切にされたが、名前を聞いたら駆け去ったという。
手がかりはアップルパイ。
種明かしが、それは想像できないなと思いつつ○、読後感も○。

クッキーが開けられない 友井羊
保健室登校する女子高生のところに宅配でクッキーが届く。
でも差出人を見ただけでカナにあげると渡す。
クッキーにまつわる出来事がこの女子高生の保健室登校のきっかけだったことが
わかる。
根がやさしい女の子に気持ちが和らぎ○、読後感も○。

塩田武士、相沢沙呼、こざわたまこ、両角長彦2017年01月03日 20時28分13秒

つづき。
小説雑誌をばらして読みふける。

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仮縫い 塩田武士
女っ気のない高校男子5人、つるんでエロネタで盛り上がる。
ある日、紳士服の仕立て屋さんに帰っていく美少女に目を奪われる。
10年後、居酒屋で飲み始めたらひとりがニュースをもってくる。
5人のうちの最も冴えなかったひとりが結婚するという。
若い頃の恋愛を思い出す感じで、文章のテンポもよく◎、読後感も◎。すばらしい。


雨の降る日は学校に行かない 相沢沙呼
女子中学生、牛乳とワックスの匂いが入り交じった雑巾を持たされ、くさいと笑われ、クラスみんなから阻害される。
それでも我慢して学校に行き続け、保健室の先生と唯一触れ合いかけるも、やがて登校を断念。
応援したくなる感じで◎、読後感も実は◎。すばらしい。


放課後のピント合わせ 相沢沙呼
女子中学生、帰宅後、ネットに自分のきわどい写真をアップして、コメントで群がる男たちの数を見て満足する毎日。
ある日、同じような女がネットに登場したことでアクセス数が減少、学校での写真希望というコメントを見て、挽回のために学校に出かける。
エッチな内容で進むのかと思いきや意外な展開へ。
救われる感じで○、読後感も○。


死にたいノート 相沢沙呼
女子中学生、死にたいと毎日ノートに書き綴る。
そのノートをあろうことか学校でなくす。
誰かに見られたら大変と探し回ると、クラスの責任感が強い女の子が拾って、これは誰のだろうと心配顔で見せられる。
早く言い出ししたらいいよと本気になる感じで○、読後感も○。


宇宙人の迎える朝 こざわたまこ
学生や社会人が入り交じる中学校の同窓会、おちゃらけていた彼が来ないことを誰も触れない。
幼なじみの彼は、その彼が来れないのが自分のある行動のせいだと背負う。
中学の頃、高校の頃、思い出すといろいろある。
そんな感覚を思い出して○、読後感も○。


姉妹みたいな こざわたまこ
社会人女子、閉園間際の屋上遊園地に寄る。
かつて中学生の頃、母親に反抗し、かっこよく見えた母親の姉のところに入り浸っていた。
子供に見える世界、大人にしか見えない世界、恋愛絡めば人それぞれ。
そういう経験を重ねて大人になるということを感じられて○、読後感は△。


クライベイビー、シスター 櫛木理宇
かつて憧れだった9歳上の姉が裁判所で殺人容疑の公判を受けている。
罪に対する後悔よりもっと重要な後悔があるという。
決して感動する話ではないけれど何かが残る。
何と言ってよいかワカラナイけど◎、読後感は△。


いれかわる 両角長彦
52歳男、31年間収監され死刑が執行される日に、実は自分が犯人ではないと言いだす。
最後の最後まで、結局どっちなのかわからない。
ねじまがりすぎな感じだけど○、読後感も○。


心に残る一冊 両角長彦
あるお母さん、母親友達の振る舞いに感心し、子育ての秘訣を聞く。
すると読書体験だと言う。
ただ普通の読書ではないことをほのめかす。
終結までのスリルが良くて○、読後感は△。


餓死室 両角長彦
名のある女優、息子の素行に手を焼き、地下室で心中を図ろうとする。
息子は言葉であの手この手と母親の決心をくじこうとする。
心の動きが微妙で良く○、読後感は△。


効いてくる 両角長彦
若い男が病院に駆け込んできて、女に毒を飲まされたという。
でも体には症状が現れていない。
そして早く仕事に戻らないと、自分が担っている特殊な役割が果たせないという。
やや現実のようには想像できないけど○、読後感も○。